故障再現性の大切さ
S200系のダイハツ・アトレーターボ、エンジンはEFで積算走行は11万キロ越えの、加速に応じてのオートマチックトランスミッションの切り替りがおかしく、吹き上がりが悪いので診て欲しいとのことで同業者が預かったものでした。
点火系統など、色々調べていくうちにターボ関連に異常ありとの判断で、周辺の小部品などを交換したものの、なかなか症状が改善しないということで相談の電話が入りました。午前中から営業活動に出ていたため、丁度午後からそのお店の方面に向かう予定をしていたこともあり、どうせなら直接診せてもらおうと、何とか午後遅くには到着しました。
プラグを入れかえて点火波形を見たりなど30分ほど、あれやこれやと処置をしつつ、とりあえずユーザーが訴えるような状況での試運転を行いました。店を出て直線道路での加速ではもたつくような走りで、坂道で加速させるとしゃくるような走り方とアフターファイヤーが発生した際のポンポンという小さな音がし出します。その時の波形が下の写真です。

原因は、一個のイグニションコイルでした。回転数は約3000rpm、坂道で急加速した際、症状とともに乱れた波形が現れました。
これで一応診断は終了ですが、アサダ自動車に戻って取り置きのコイルがないか探すと、同機種に使用可能なものが見つかったので連絡を入れ、夜、閉店後に再度伺うことにしました。少しでも早く直った実感を感じて欲しいという気持ちと、故障箇所診断の確定をしておく必要があると感じたからです。

同じように試運転しても、これまでのことがウソのように快適な走りです。上は、加速時での正常な波形です。
イグニションアナライザでの波形診断において、アイドリング時では正常でも高負荷がかかると異常を示すものが多いことに注意が必要です。今回の場合、ダイハツ・アトレーで、エンジンがシート下にあることで、実走行しながらの診断が可能であったことは幸運でした。
故障現象を再現させることが大切であることは言うまでもありません。今回の事例では私が行くまでに、一応点火波形の観測はしていたようですが、その診方に問題がありました。そこを誤診すると、次に待っているのは更なる誤診のスパイラルです。幸いなことに、アレコレと無茶に手をつける前に連絡をもらったので、無駄を省くことが出来ました。
今日もこの事例を上げてカイセの村上さんと話をしていましたが、エンジンがシート下になくとも、この事例と同じような診断が出来ることの必要性を共有していました。現象の再現が出来ても、それを診ることが出来なければ的確な判断が難しくなります。いいものが出来ることを期待していますよ、村上さん。
*イグニッションアナライザを使った故障診断なので、点火波形の分類にすべきかどうか迷ったのですが、なんぼなんでも追補の四はアカンやろと思い、トラブルシーティングに分類しました*
authorized by 浅田 純一
点火系統など、色々調べていくうちにターボ関連に異常ありとの判断で、周辺の小部品などを交換したものの、なかなか症状が改善しないということで相談の電話が入りました。午前中から営業活動に出ていたため、丁度午後からそのお店の方面に向かう予定をしていたこともあり、どうせなら直接診せてもらおうと、何とか午後遅くには到着しました。
プラグを入れかえて点火波形を見たりなど30分ほど、あれやこれやと処置をしつつ、とりあえずユーザーが訴えるような状況での試運転を行いました。店を出て直線道路での加速ではもたつくような走りで、坂道で加速させるとしゃくるような走り方とアフターファイヤーが発生した際のポンポンという小さな音がし出します。その時の波形が下の写真です。

原因は、一個のイグニションコイルでした。回転数は約3000rpm、坂道で急加速した際、症状とともに乱れた波形が現れました。
これで一応診断は終了ですが、アサダ自動車に戻って取り置きのコイルがないか探すと、同機種に使用可能なものが見つかったので連絡を入れ、夜、閉店後に再度伺うことにしました。少しでも早く直った実感を感じて欲しいという気持ちと、故障箇所診断の確定をしておく必要があると感じたからです。

同じように試運転しても、これまでのことがウソのように快適な走りです。上は、加速時での正常な波形です。
イグニションアナライザでの波形診断において、アイドリング時では正常でも高負荷がかかると異常を示すものが多いことに注意が必要です。今回の場合、ダイハツ・アトレーで、エンジンがシート下にあることで、実走行しながらの診断が可能であったことは幸運でした。
故障現象を再現させることが大切であることは言うまでもありません。今回の事例では私が行くまでに、一応点火波形の観測はしていたようですが、その診方に問題がありました。そこを誤診すると、次に待っているのは更なる誤診のスパイラルです。幸いなことに、アレコレと無茶に手をつける前に連絡をもらったので、無駄を省くことが出来ました。
今日もこの事例を上げてカイセの村上さんと話をしていましたが、エンジンがシート下になくとも、この事例と同じような診断が出来ることの必要性を共有していました。現象の再現が出来ても、それを診ることが出来なければ的確な判断が難しくなります。いいものが出来ることを期待していますよ、村上さん。
*イグニッションアナライザを使った故障診断なので、点火波形の分類にすべきかどうか迷ったのですが、なんぼなんでも追補の四はアカンやろと思い、トラブルシーティングに分類しました*
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