そもそもに戻り
コロナ禍のため、みなさんお家でじっとされておられるのでしょうか?アサダ自動車は2日から5連休に入りましたが、昨日、今日と事故や故障でSOSが入りましたので、私は不急不用で外出しておりました。決して、政府の要請に逆らってはおりませんよ、仕事ですから。
さて、ポンコツ整備士さんからのお問い合わせですが、オシロスコープ(SK-2500)の説明書39ページには、電流クランプをオルタネータのB端子にクランプと書いてありますが、エンジンによってはこの大きなクランプを挟むには苦労しますから、バッテリのアース端子をクランプすれば大丈夫です。後は、説明書通りにすれば波形を取り込むことが出来ます。

ただ、説明書39ページのCH1は、バッテリの電圧を表示させた絵が載せられていますから、当該故障気筒の判別にはCH1に点火信号なり、燃料噴射信号なりを取り込んでやる必要があります。試してみてくださいね。
さて、そもそも相関コンプレッション波形を診ることの意味ですが、故障診断の無駄な時間を省けることを前に書いていますが、その他に、面倒くさいので故障診断でコンプレッションを測らない所もあることは事実でして、それにはスパークプラグを取り外すのにも一苦労するので、其処とは違うやろう・・・という願望を込めて、あえて測らないということも多いのではないでしょうか。その面倒くささによる躊躇を払拭してくれるのが、この波形を診る大きな意味と言えるでしょう。
須藤さんに無理を言って、資料を送っていただきました。いつもありがとうございます。

上の波形は、スターターM端子の電圧・黒とバッテリの放電電流・赤を現しています。注目すべきは、エンジンが始動し出す500ms以前では、どちらも山谷の波形になっているということです。何故そうなるのか?というと、エンジンのピストン変動を反映しているからですね。アイドリング回転数よりもはるかに低いクランキング回転数は、ピストンによる圧縮工程の影響を受けやすく、エンジンを回すことに、より大きな電流が必要となり、結果として変動が電流波形に現れているということです。
上の波形ではエンジンが始動したことで、始動後には放出電流が充電電流に変わりますから、クランキング時に比べて非常に小さな値になっています。相関コンプレッション波形は、この始動後をなくし、つまりエンジンがかからない状態を数秒間続けることで、コンプレッションの良否を判定しようというものです。

走行中にエンストし、再始動不能という故障で持ちこまれたスズキ・keiの相関コンプレッション波形です。二つの気筒に問題がありますね。大阪では「エンジンあきまへんでぇ。乗り換えでんなぁ」と言う場面です。
*念のためにコンプレッションを計測すると、第一気筒は正常値でしたが、第二、第三気筒は6kgf/c㎡しかなかったとのことです*
ここから話が早いのは、これを直すのか?乗り換えるのか?という選択肢をユーザーに直ぐに伝えることができるという点ですね。このエンジンの場合、たまたまコンプレッションの計測が楽なものでしたが、サージタンクからスロットルボディ、ホース類に至るまで、あれやこれやと取り外すことが必要なエンジンのことを考えると、どれほど助かることか、想像すればわかりますね。
この自動車は、エンジンを直すでもなく、乗り換えるでもなく、中古エンジン載せ換えというものでした(あぁ、その選択肢、ステキな選タクシー:オッサン・・・何言うとんねん)。
整備後の波形が下です。きれいに揃っていますね。教科書に出て来そうな相関コンプレッション波形です。

このように、エンジントラブルに関しての診断に大変便利な機能ですから、もっともっと広がってくれることを望んでいます。そのためには、カイセのオシロスコープ・SK-2500やuScopeを手元に用意することから始めていただきたいと思います。
authorized by 浅田 純一
さて、ポンコツ整備士さんからのお問い合わせですが、オシロスコープ(SK-2500)の説明書39ページには、電流クランプをオルタネータのB端子にクランプと書いてありますが、エンジンによってはこの大きなクランプを挟むには苦労しますから、バッテリのアース端子をクランプすれば大丈夫です。後は、説明書通りにすれば波形を取り込むことが出来ます。

ただ、説明書39ページのCH1は、バッテリの電圧を表示させた絵が載せられていますから、当該故障気筒の判別にはCH1に点火信号なり、燃料噴射信号なりを取り込んでやる必要があります。試してみてくださいね。
さて、そもそも相関コンプレッション波形を診ることの意味ですが、故障診断の無駄な時間を省けることを前に書いていますが、その他に、面倒くさいので故障診断でコンプレッションを測らない所もあることは事実でして、それにはスパークプラグを取り外すのにも一苦労するので、其処とは違うやろう・・・という願望を込めて、あえて測らないということも多いのではないでしょうか。その面倒くささによる躊躇を払拭してくれるのが、この波形を診る大きな意味と言えるでしょう。
須藤さんに無理を言って、資料を送っていただきました。いつもありがとうございます。

上の波形は、スターターM端子の電圧・黒とバッテリの放電電流・赤を現しています。注目すべきは、エンジンが始動し出す500ms以前では、どちらも山谷の波形になっているということです。何故そうなるのか?というと、エンジンのピストン変動を反映しているからですね。アイドリング回転数よりもはるかに低いクランキング回転数は、ピストンによる圧縮工程の影響を受けやすく、エンジンを回すことに、より大きな電流が必要となり、結果として変動が電流波形に現れているということです。
上の波形ではエンジンが始動したことで、始動後には放出電流が充電電流に変わりますから、クランキング時に比べて非常に小さな値になっています。相関コンプレッション波形は、この始動後をなくし、つまりエンジンがかからない状態を数秒間続けることで、コンプレッションの良否を判定しようというものです。

走行中にエンストし、再始動不能という故障で持ちこまれたスズキ・keiの相関コンプレッション波形です。二つの気筒に問題がありますね。大阪では「エンジンあきまへんでぇ。乗り換えでんなぁ」と言う場面です。
*念のためにコンプレッションを計測すると、第一気筒は正常値でしたが、第二、第三気筒は6kgf/c㎡しかなかったとのことです*
ここから話が早いのは、これを直すのか?乗り換えるのか?という選択肢をユーザーに直ぐに伝えることができるという点ですね。このエンジンの場合、たまたまコンプレッションの計測が楽なものでしたが、サージタンクからスロットルボディ、ホース類に至るまで、あれやこれやと取り外すことが必要なエンジンのことを考えると、どれほど助かることか、想像すればわかりますね。
この自動車は、エンジンを直すでもなく、乗り換えるでもなく、中古エンジン載せ換えというものでした(あぁ、その選択肢、ステキな選タクシー:オッサン・・・何言うとんねん)。
整備後の波形が下です。きれいに揃っていますね。教科書に出て来そうな相関コンプレッション波形です。

このように、エンジントラブルに関しての診断に大変便利な機能ですから、もっともっと広がってくれることを望んでいます。そのためには、カイセのオシロスコープ・SK-2500やuScopeを手元に用意することから始めていただきたいと思います。
authorized by 浅田 純一
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