確りと見極める
下の写真は、平成16年式ルノー・カングー(KCK4M)、走行約16万キロのエンジントラブルで入庫された点火波形です。正常に見えますが、実は異常波形です。メーター内のエンジンチェックランプも点灯しています。
どこが異常なのか?ということですが、もう一つ、同じ気筒の波形をご覧いただきましょう。
赤枠で囲んだ部分ですが、これは混合気が希薄な場合に傾向として現れる波形でしたね。この分類”点火波形”の実験・空燃比 大(燃料が薄い):平成31年1月25日記事にも載せていますが、それと見比べても正常でないことはお解りかと思います。
こちらのカングーは、常に弊社に入庫されているものではありませんが、幸いにも過去の請求書が保管されていました。積算走行16万キロまでには、かなりのメンテナンスが必要であった様子です。ひょっとして、もう一台買えているかも知れません。
本来ならば、まずOBDで故障コードを確認するところでしょうが、天邪鬼の私は点火系統から診ることにしました。普通、国産エンジンの気筒は向かって左から1,2・・と数えますが、カングーは右から順番に数えます(ということをこの診断中に知りました)。上に掲載した写真は、どちらも向かって右から二番目のものですから、第二気筒のものです。当初は、第三気筒かと思っていました。
次にスキャンツールにて総合診断しますと、第二気筒インジェクタ系統不良のコードが映し出されましたが、「えっ?三番とちゃうんか?」と自らの波形診断が間違っているのか?とすら疑いましたが、詳しい人に尋ねると右から順番になっていることを教えてもらえました。知らなかったことを恥ずかしく思い、反省しております。
ということで、オシロスコープによる個別診断に入りました。まずは、正常な第三気筒の燃料噴射波形です。
次に、故障したインジェクタの波形をご覧ください。ECUは正常にアースさせていますが、正常波形のように逆起電力の立ち上がりが見えません。これは、インジェクタのコイルがダメになっている証拠です。
残念ながら、まだ部品が届いていないので修理後の波形はありません。
近頃流行の格安オシロスコープ(by カイセ)でも、燃料噴射波形を取り込んでみました。上②が異常波形、下①が正常波形です。ボタンが沢山あって、これまでシンプルなオシロに慣れている私にはかえって使い難いのでは・・・と敬遠していましたが、使ってみれば触りやすいものでした。
初めから高価なオシロスコープを買っても、「どこまで使いこなせるのか」と不安な方々には、入門機器としては価格と機能は合致していてお勧めです。これからも、ドンドン使っていこうと思っています。
スキャンツールは故障箇所の絞込みに、オシロスコープは故障箇所の特定にと、それぞれ住み分けさせる必要があります。どちらも自動車整備に欠かすことの出来ないツールであることは間違いありませんが、使い方の勉強はより以上に不可欠ですね。
authorized by 浅田 純一
どこが異常なのか?ということですが、もう一つ、同じ気筒の波形をご覧いただきましょう。
赤枠で囲んだ部分ですが、これは混合気が希薄な場合に傾向として現れる波形でしたね。この分類”点火波形”の実験・空燃比 大(燃料が薄い):平成31年1月25日記事にも載せていますが、それと見比べても正常でないことはお解りかと思います。
こちらのカングーは、常に弊社に入庫されているものではありませんが、幸いにも過去の請求書が保管されていました。積算走行16万キロまでには、かなりのメンテナンスが必要であった様子です。ひょっとして、もう一台買えているかも知れません。
本来ならば、まずOBDで故障コードを確認するところでしょうが、天邪鬼の私は点火系統から診ることにしました。普通、国産エンジンの気筒は向かって左から1,2・・と数えますが、カングーは右から順番に数えます(ということをこの診断中に知りました)。上に掲載した写真は、どちらも向かって右から二番目のものですから、第二気筒のものです。当初は、第三気筒かと思っていました。
次にスキャンツールにて総合診断しますと、第二気筒インジェクタ系統不良のコードが映し出されましたが、「えっ?三番とちゃうんか?」と自らの波形診断が間違っているのか?とすら疑いましたが、詳しい人に尋ねると右から順番になっていることを教えてもらえました。知らなかったことを恥ずかしく思い、反省しております。
ということで、オシロスコープによる個別診断に入りました。まずは、正常な第三気筒の燃料噴射波形です。
次に、故障したインジェクタの波形をご覧ください。ECUは正常にアースさせていますが、正常波形のように逆起電力の立ち上がりが見えません。これは、インジェクタのコイルがダメになっている証拠です。
残念ながら、まだ部品が届いていないので修理後の波形はありません。
近頃流行の格安オシロスコープ(by カイセ)でも、燃料噴射波形を取り込んでみました。上②が異常波形、下①が正常波形です。ボタンが沢山あって、これまでシンプルなオシロに慣れている私にはかえって使い難いのでは・・・と敬遠していましたが、使ってみれば触りやすいものでした。
初めから高価なオシロスコープを買っても、「どこまで使いこなせるのか」と不安な方々には、入門機器としては価格と機能は合致していてお勧めです。これからも、ドンドン使っていこうと思っています。
スキャンツールは故障箇所の絞込みに、オシロスコープは故障箇所の特定にと、それぞれ住み分けさせる必要があります。どちらも自動車整備に欠かすことの出来ないツールであることは間違いありませんが、使い方の勉強はより以上に不可欠ですね。
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