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スパークラインについて

さて、いよいよ本丸のスパークラインのお話に入ります。その前にもう一度、要求電圧というものがどういうものであるのかを確認しましょう。

スパークプラグの火花放電には、容量放電誘導放電がありましたね。要求電圧は、コイルの巻き線間や、今では見かけることの少なくなったプラグコードなどの静電容量をまず充電し、この静電容量の電圧がスパークプラグの火花ギャップの放電電圧以上に達することで、静電容量に貯えられた電荷が一気に、極めて短時間、放電されるものでしたね。
点火システム
その後、コイルの巻き線間の電磁エネルギーにより、誘導放電が起こります。思い出してください、コイルは変化を嫌うんでしたね。電流が流れを止めようとすると「頼むから止めんといて!」と磁束を増やそうとして電流を流し続けるんでしたね。
逆起電力
上のイラストの図中②~③の間に”急激な電流変化”と書かれた部分では、磁束が崩壊していきますから、その崩壊を防ごうと磁束を増やす方向に電流を流すんでしたね。(*イラストの説明では②~⑤となっていますが、編集部の誤植です。)その誘導放電がスパークラインとなってあらわれています。
点火二次波形
通常、スパークラインの長さは車種にもよりますが、およそ1.5ms(1000分の1.5秒)~2.0ms(1000分の2秒)と考えて差し支えありません。上の点火二次波形をご覧いただくと、その電圧は、せいぜい1~2kvくらいでしょう(2kv/DIV)。

これには、二次巻き線側の*インダクタンスが大きいために電流値が小さいということが関連していますが、この誘導放電については、これまで説明してきたコイルの性格を覚えておいてくださることで十分かと思います。

*インダクタンス コイルに流れる電流の変化とコイルに発生する誘導起電力の関係をしめすものです(簡潔すぎる)。

点火波形の基本的な観方についての中でも触れていますが、コイルの誘導放電であるスパークラインの読み取りが故障診断にとって大切な部分であるとともに、実に難しく、一筋縄ではいかないものであることを言っておかなければならないと思います。

とあるトラブルがあり、その際の故障波形を覚えたからといって、次のトラブルに即対応できるというものでもありません。いつも頭を悩ませるところです。
プラグ交換
上のイラストは一例ですが、〇部はスパークラインが短くなってはいても、減衰部はハッキリと見えていますから、まずコイルの不良は外せる事例ですね。エンジンの吹き上がり不良、アイドリングのバラつきで入庫されたものですが、トラブルの原因はスパークプラグ一本が不良であったために現れていた症状でした。
異常波形
上の写真は要求電圧が高くなるで一度掲載したスパークプラグ交換前の波形ですが、似た感じがしますね。この波形を一見すると減衰部がないように見えるかも知れませんが、ちゃんと観ると減衰部は現れています。

都合上、これまで要求電圧・減衰部・スパークラインとそれぞれ独立して説明しましたが、前にも書きましたように、これら全てから判断することが点火波形の診断であることは当然おわかりいただいているはずですね。

上の二つの事例ように一応それなりの傾向はありますから、その傾向を足がかりにして診断を下さなければならないということですね。次回以降も、そういったこれまでに掴んでいる傾向を下に、故障例や実験例などを紹介しながら続けていきたいと思います。

authorized by 浅田 純一
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