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なぜ、ひっくり返っているのか?

前回の説明の中で最後に登場したボルボの異常波形が、自動車用テキストのイラストやイグニッションアナライザの画面に映し出されるものとは逆さまになっていることを不思議に思われた方もいらっしゃることでしょう。
点火二次波形
*自動車工学実践基礎シリーズ・2 P52より引用*

ところが本来は、こちらの波形として観測されることのほうが正しい(という書き方が正しいのかどうか?)のです。イラストにありますが、GNDはアース、つまり0Vであり、上は(プラス)側、下は(マイナス)側であることは言うまでもないでしょう。そうしますと、この波形から言えることは、GND(接地側)から側に火花が飛んでいるということになるのです。

これには様々な理由があるようですが、まず第一に考えなくてはならないことは、スパークプラグの寿命かも知れません。
痕跡
上の写真は、スパークプラグの電極、特に中心電極(中心部に丸く突き出した部分)を見やすくするためにマクロレンズで撮影したものですが、よくご覧いただきますと、その先端部にブツブツと小さな穴があいているように見て取れると思います。これは、接地電極・GND側(指を曲げたような形)から放電された火花によって削られている痕跡と言ってよいでしょう。
放電
実際には、容量成分によって両極間に放電されたことで、電極周辺はイオン化され、イオンと陰イオンが発生します。イオンは陰イオンよりはるかに大きな質量を持ちますから、マイナス側に引き寄せられるその大きな質量のイオンがぶつかってくる中心電極のほうがよく減るということです。

なぜそのようなことにしてあるのかと言いますと、これはスパークプラグの作りから考えて、そのほうが理にかなっているからだと思います。
スパークプラグ

上のイラスト(A)は中心電極をマイナス極性に、(B)は中心電極をプラス極性に設定した場合の電極の減り方を示したものですが、混合気燃焼の安定性を考慮すれば、(A)のほうが良いことは明らかです。(B)の状態が続けば、接地電極の欠けたプラグのようになってしまいます。

よって、スパークプラグの中心電極がマイナスに印加されているために、点火二次波形は、あの”ひっくり返ったようになっているもの”として現れるのです。より電位の高いアースから、より電位の低いマイナス側に火花が飛んでいるということを示しています。

もちろん、点火システムによっては一つのコイルで対極にある気筒に二つ同時に点火させるものもありますが、そういう場合は、一つの中心電極がマイナス極性ならば、他方はプラス極性にならざるを得ません。そのことについては適当な時期に書くことにしますが、いずれにしましても、この現象にはコイルの相互誘導が関わっていることであり、中心電極をマイナス極性にするためには、イグニションコイルの二次コイルの巻き方向をそのようにすれば良いということです。

先ほども書きましたが、中心電極をマイナス極性にすることはプラグの寿命だけではなく、その方が要求電圧を約10%下げることが出来るなど、他にも要因があることは付け加えておきます。

authorized by 浅田 純一
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