平成12年式・日産スカイライン(ER34;走行15万Km)のエンジンチェックランプが走行中に点灯したということでお預かりいたしました。*チェックランプのお写真は他車のものでございます。

まずは
スキャンツールによります綜合診断を行いました。
異常コード21/点火一次信号が確認されたのでございます。次に、コードを頼りに故障箇所の特定診断に入ります。ここからは、
オシロスコープの出番でございます。

5番シリンダーのイグニション・コイルの交換前後の波形でございます。左が異常、右が正常な波形だそうでございます。小さいので拡大いたしますと・・・

こちらが異常な
点火指示信号波形でございます。サメのひれのような波形の最上部が4マス目まで達しておりますね。

こちらが正常な
点火指示信号波形でございます。サメのひれのような波形は、最上部が4マス目よりの下にございます。電圧にいたしましても、僅か0.5Vほどの差しかございませんが、このごくごく僅かな差が、トラブルにつながるということでございます。
サーキットテスタによるコイルの単体点検では異常は発見されておりません。経験や感だけではトラブルの原因にたどり着くことのできない、ハイテク診断の一例でございます。
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さすが浅田先生、すごい診断技術ですね。
佐藤様
引き続いての投稿に恐縮しております。ありがとうございます。
4年以上も前の故障ですが、この当時、残念ながらイグニションアナライザを備えていませんでしたので点火指示信号よりの診断に頼らざるを得なかったものです。
今なら、もう少し簡単に見つけ出すことができるかも知れませんね。
浅田先生、お返事ありがとうございます、点火系統不良で悩まされたY31なんかはイグニッションアナライザーで見れば合理的に診断可能ですね、ただ、波形について勉強しないと先生のおっしゃるように誤診してしまうので色々観測してます、失礼とは思いますが質問してよろしいでしょうか?今日、代車に使ってる新車のダイハツキャンバスとミライース、それとスズキの新車の波形を見て見ました、スズキ車は点火電圧12Kv、スパークラインも1.6msと納得でしたが、ダイハツ車の2台は点火電圧、スパークラインとも?でした、点火電圧32kv、スパークライン1.2msでした、最近のダイハツ車はこれが正常なんでしようか?たいへん失礼かと思いますが、教えていただけるとありがたいです。
佐藤様
ご質問いただき、ありがとうございます。
スパークラインですが、車種により長短はあるとは思います。要求電圧はダイハツ車の場合、30kvくらいは出力されていたと思います。スパークラインは、数値での計測でしょうか?波形からの読み取りでしょうか?通常は、1.3~1.5msくらいは観測されると思います。
スパークラインについては現在色々と調べていますが、希薄燃焼に対応して要求電圧が高くなっている分、スパークラインが少し短くなる傾向は見られるかも知れませんね。
スパークラインの診断としましては、点火波形「実験・スパークプラグ」の項にありますように、エンジンの回転数を上げてみて、大きく傾斜が変わらずに短くなることが理想ですので、その辺を注視いただくと良いかと思います。
お世話になっております、一方的な質問なのにアドバイスいただきありがとうございます。点火電圧、スパークライン、数値による計測です。ダイハツ車のEFエンジンは点火電圧、スパークラインはほぼ他社に似ていますが今回のデーターはこんなに高いのと疑問を感じました。色々見て見ないと先生のおっしゃるとうり素晴らしい機器なのに誤診を招いてしまいますよね。実験、スパークライン、読み直しました、今度からは回転を上げての観測もしたいとおもいます。ありがとうございました。
佐藤様
早速にご返答いただきました。イグニションアナライザですが、数値表示のみの機器ならば仕方ないのですが、波形を観ることが出来るならば、そちらを使用してください。デジタル数値だけでは、燃焼状態の把握までは困難です。
機器は浅田先生がブログで紹介してるものと同じカイセで波形観測できるイグニッションアナライザーです。実は診断機GスキャンもあるのでGスキャン用でダイレクトコイル用のプローブもありますが、勉強不足で宝のもちぐされ状態です、このブログで波形の逆さの事例が紹介されてましたが同じ車種なのにダイハツ純正コイルは逆の波形、社外コイルは上向き波形となってました。Gスキャンは波形観測は見やすいですが点火電圧の数値が分かりづらく(数値も観れるのかもわからないですが)カイセのイグニッションアナライザーで波形観測できるものを購入した次第です。そこで前におはなししたようにワニマロさんのブログを見つけ毎日拝見させていただいてます。いつも長文になり申し訳ありません。
アナライザについては了解しました。
ダイハツの波形ですが、そのコイルはJBエンジンにある同時点火方式のコイルでしょうか?現在使用されているトップコイルなら、教科書通りの波形が観測されるはずですが、同時点火ならばプローブを当てる位置で極性が変わる可能性があります。
ダイハツ車のエンジンの件ですが、、JBエンジンでなくタントEFエンジンでした。この車、以前コイル不良によりH社の社外コイルを交換しましたが、1年経たないうちまた、コイル不良。1.2番気筒が社外コイル、3番気筒はダイハツ純正で比較的新しいコイルが付いていました。プラグは同時交換、なぜか、純正コイルの3番だけ逆の波形が出てました。プローブの当て方、場所をいろいろかえましたがかわりませんでした。