本来は電気基礎の分類に入る項目ですが、誰もそこを振り返ることはないだろうと思いますので、またまたオシロの出ないオシロ以前「番外」ということで・・・。
三級シャシのテキストの最後に、
参考 サーキットテスタの活用として掲載されている部分からの引用(225ページ)です。前のページには、スイッチOFF(開)の場合も掲載されています。

何を今さら三級やねん、そんなもん解っとるわいと言われそうですが、私には、「
技術に一級も二級も三級もない。説明が難しいか簡単かだけ」という持論があります。
例えば上の図には、ありきたりな当たり前な当然な(ほとんど全部いっしょやん)ことが書かれています。電気負荷を駆動させるためには、負荷両端には駆動電圧、ここでは12Vがかかります。よって、スイッチOFFの時にはリレーコイルの両端、ライトの両端の電圧は0Vです。
こういった図を、「へえ、そうなんや」と覚えておくだけで良いのか?と言えば、決してそうではありませんね。これを使って、もっともっと色々と考察していくことが勉強になりますね。
・図中のスイッチONの場合、またスイッチOFFの場合、リレーの両接点間電圧はそれぞれいくらになるか?
・リレー接点に接触抵抗があると、なぜ2V(図の場合)が表示されるのか?
・ライトの両端に駆動電圧がかからない他の原因は何か?etc
参加された方々はご存知ですが、私の講習会では、非常に簡単な装置を使って電気基礎の説明をしています。たまに現れる黒坊主は、参加者が盛り上がる人気の装置です。長崎でも大変に盛り上がりました。特に日高さんは、「
説明を聴いて解ったようになっているだけではダメで、これを実車に生かす勉強をしていかなといけません」と仰いましたが、そこがとても大切なポイントだと思います。
あれこれと難しい理屈を並べては、答えられない参加者に舌打ちする講師までいると聞かされたことがありますが、本末転倒とはまさにこのことです(解ってたら、誰が大枚叩いて講習会に行くねん

)。
私は、参加したみなさんが持ち場に帰ってからも、次のステップにつながる内容を伝えることがセミナー講師の役目だと思い、針のむしろに座る思いで前に立っていますが、常に真剣勝負です。
この分類で一級の過去問を出題しています。多少複雑にして惑わそうとしていますが、基本はここに掲載した図の根本的な理解があれば、何ら難しいものではありません。
メカトロクラブZENSHINでは、一級のテキストを使ってあれやこれやと実験していこうかと目論んでいますが、その原点は三級テキストの中にも埋もれています。
埋められたものをどれだけ掘り出すことができるのかは、学ぶ姿勢にかかっています。それを導くのは講師の役割ですが、整備振興会の講習では時間的な制約があり、根本的な内容に踏み込むのは困難だと聞かされています。であるならば、メカトロクラブのような存在は、ますます重要になりますね。
株式会社アサダ自動車商会
代表取締役 浅田 純一