燃料噴射波形 パートⅡ
さて、玉手箱のインジェクタ波形ですが、今回は噴射時間について書こうと思います。ご存知の方も多いかとは思いますが、フェイルセーフに入ると基本的に燃料噴射時間はのびますね。フェイルセーフ機能が働くということは、センサ本体に故障があるのか、あるいは結線に問題がある場合が多いのですが(他にもあるやろけど全部書ききらんわ)、ダイアグノーシスに引っかかるほどの壊れ方ではない場合にも、この噴射時間の観測は役に(立ちますと言い切ると、
そんなことは無い!と文句を垂れるヤツが居そうなので)立つかも知れません。
では、一例を紹介しながら、取り留めなくあれこれと書き連ねてみましょう。

走行中にエンストし、再始動は問題ないという症状のインジェクタ波形(上)とエア・フロー・メータ波形(下)です。第105図にあるように、アクセルを放しエンストした時のエアフロ故障波形です。これまでにUスコープの所でもエアフロの故障波形が出ていますが、それとは違った様子です。
第104図の燃料噴射波形の噴射時間を見ていただきたいのですが、これは整備前のアイドリング時のものですが、噴射時間が3.0msにもなろうとしています。車種によってはこれでも良いものはありますが、国産車ではまず無いといって良いでしょう。最近では更に、噴射時間が短くなっている傾向にあるようですよ、私が知る限りでは。
私の本からの引用なので、当時の自己診断機能と今のものとでは格段に差がありますから、これほどまでにエアフロがおかしいと空燃比異常でエンジンチェックランプを点灯させるかも知れませんが、この故障では最初、チェックランプの点灯はなく、積極的に症状を引き起こすことをしたことでダイアグノーシスに記憶させることが出来たという風に記憶しています(ウソです。そんなこと覚えてるわけありません。本にそう書いてます)。

ここで大切なことは、センサに異常が生じ始めマイコンに記憶されなくとも、インジェクタ波形が、「おい、ちょっと調子悪いで」と教えてくれているということです。但し、診方には工夫が必要です。

上の図では、噴射時間は2.361msと表示されており、この数値は正常値と何ら変わりありません。まだ整備前(エア・フロー・メータ交換前)の波形ですが、いわゆる高速無負荷(2000rpm付近)状態では正常波形として診てしまいます。

交換後では、アイドリング時でも2.353msに変化しています。故障時のアイドリング時と比較しても0.6ms以上短くなりました。
点火波形・微妙な違い(令和元年12月24日)の中で、データが無い時の噴射時間の考え方について触れていますが、高速無負荷時の燃料噴射時間はとても参考になる大切な数値なので、メンテナンスやトラブル対処には是非、診ていただきたいものです。アイドリング時の長さと比較することで、潜んだトラブルを炙り出してくれるかも知れません。
authorized by 浅田 純一
365日

では、一例を紹介しながら、取り留めなくあれこれと書き連ねてみましょう。

走行中にエンストし、再始動は問題ないという症状のインジェクタ波形(上)とエア・フロー・メータ波形(下)です。第105図にあるように、アクセルを放しエンストした時のエアフロ故障波形です。これまでにUスコープの所でもエアフロの故障波形が出ていますが、それとは違った様子です。
第104図の燃料噴射波形の噴射時間を見ていただきたいのですが、これは整備前のアイドリング時のものですが、噴射時間が3.0msにもなろうとしています。車種によってはこれでも良いものはありますが、国産車ではまず無いといって良いでしょう。最近では更に、噴射時間が短くなっている傾向にあるようですよ、私が知る限りでは。
私の本からの引用なので、当時の自己診断機能と今のものとでは格段に差がありますから、これほどまでにエアフロがおかしいと空燃比異常でエンジンチェックランプを点灯させるかも知れませんが、この故障では最初、チェックランプの点灯はなく、積極的に症状を引き起こすことをしたことでダイアグノーシスに記憶させることが出来たという風に記憶しています(ウソです。そんなこと覚えてるわけありません。本にそう書いてます)。

ここで大切なことは、センサに異常が生じ始めマイコンに記憶されなくとも、インジェクタ波形が、「おい、ちょっと調子悪いで」と教えてくれているということです。但し、診方には工夫が必要です。

上の図では、噴射時間は2.361msと表示されており、この数値は正常値と何ら変わりありません。まだ整備前(エア・フロー・メータ交換前)の波形ですが、いわゆる高速無負荷(2000rpm付近)状態では正常波形として診てしまいます。

交換後では、アイドリング時でも2.353msに変化しています。故障時のアイドリング時と比較しても0.6ms以上短くなりました。
点火波形・微妙な違い(令和元年12月24日)の中で、データが無い時の噴射時間の考え方について触れていますが、高速無負荷時の燃料噴射時間はとても参考になる大切な数値なので、メンテナンスやトラブル対処には是非、診ていただきたいものです。アイドリング時の長さと比較することで、潜んだトラブルを炙り出してくれるかも知れません。
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