燃料噴射波形 パートⅠ
今では、イグニションアナライザがあるおかげで故障箇所診断がとても楽になりましたが、オシロスコープで点火波形を見ることが出来なかった頃、このインジェクタ波形に助けられました。必要は発明の母とはよく言ったもので、無けりゃ無いで、あれこれと工夫を出来るもんです。
さて、再度書いておきますが、この”オシロスコープ”という分類は、これからオシロスコープを買おうか、あるいはオシロは手元にあるけれども埃を被ったままで勿体無いなあと思っている方を対象としていますので、内容や表現は稚拙で面白みに欠けますが、野球がキャッチボールや素振りから始まるように、何事も基本から始まりますから、その辺は穏便に。
説明しやすいので、図などは実践基礎シリーズ・オシロスコープから抜粋しています。

上にありますように、この波形から数点の点検が可能です。
まず何よりも、インジェクタが正常に作動しているのかどうか?例えば、ソレノイドの逆起電力が立ち上がっていないなどということであれば、本体の異常が考えられますね。令和元年12月19日・確りと見極めるの中に、異常波形を載せていますので参照してください。
図に燃料噴射時間とありますが、このアースされた部分が、インジェクタが燃料を噴射している非常に小さな時間です。ms(ミリセカンド:千分の一秒)や.ms(コンマミリセカンド:一万分の一秒)での診断が必要な波形ですから、何度も書いていますように、0.5ms/DIVで診ることが重要です。上の図では500μs(マイクロセカンド)になっていますが、テスタによる表示方法の違いで0.5msのことですから同じです。

噴射時間の決定については、始動時の増量補正や加速増量補正など、様々な項目がありますが、インジェクタの作動はECU内のマイコンによりアース制御(マイナス駆動)されており、O2センサなどの入力信号から演算され決された時間、トランジスタを作動させているということです。
O2センサからの信号を受けて、理論空燃比にするために噴射時間を増減させますが、その状態をあらわしたものが下の図です。

噴射波形逆起電力の立ち上がり部分が黒く重なったように見えますが、このオシロスコープにはなぞり書き機能が備えられていることで、一万分の一~一万分の二秒、燃料が増減されていることがわかります。インジェクタ波形の下にあるものがO2センサの出力波形ですが、O2センサが正常に働いていれば、噴射時間が.ms(コンマミリセカンド)で制御されていることが点検できます。
これが、空燃比フィードバック制御といわれるもので、この波形の動きを診ることで、O2センサの良否判定も出来るということです。燃料噴射波形から、インジェクタ本体の良否判定だけではない色々なことが判る一例ですね。
なお、噴射波形に同期をかけて診るためのトリガポイントについては、平成31年2月3日・ブレイクタイムを合わせてご覧いただくとよいでしょう。その記事に、極端に噴射時間が小さくなった波形を載せています。その図は無効噴射時間(約0.6ms以下)まで短くなり、実質、燃料噴射していないということになりますが、それはスロットルポジションセンサのアイドル接点がONになっているかどうかを点検していることになりますから、インジェクタ波形は玉手箱のように、あれもこれも点検できる便利な波形であるということですね。
authorized by 浅田 純一
さて、再度書いておきますが、この”オシロスコープ”という分類は、これからオシロスコープを買おうか、あるいはオシロは手元にあるけれども埃を被ったままで勿体無いなあと思っている方を対象としていますので、内容や表現は稚拙で面白みに欠けますが、野球がキャッチボールや素振りから始まるように、何事も基本から始まりますから、その辺は穏便に。
説明しやすいので、図などは実践基礎シリーズ・オシロスコープから抜粋しています。

上にありますように、この波形から数点の点検が可能です。
まず何よりも、インジェクタが正常に作動しているのかどうか?例えば、ソレノイドの逆起電力が立ち上がっていないなどということであれば、本体の異常が考えられますね。令和元年12月19日・確りと見極めるの中に、異常波形を載せていますので参照してください。
図に燃料噴射時間とありますが、このアースされた部分が、インジェクタが燃料を噴射している非常に小さな時間です。ms(ミリセカンド:千分の一秒)や.ms(コンマミリセカンド:一万分の一秒)での診断が必要な波形ですから、何度も書いていますように、0.5ms/DIVで診ることが重要です。上の図では500μs(マイクロセカンド)になっていますが、テスタによる表示方法の違いで0.5msのことですから同じです。

噴射時間の決定については、始動時の増量補正や加速増量補正など、様々な項目がありますが、インジェクタの作動はECU内のマイコンによりアース制御(マイナス駆動)されており、O2センサなどの入力信号から演算され決された時間、トランジスタを作動させているということです。
O2センサからの信号を受けて、理論空燃比にするために噴射時間を増減させますが、その状態をあらわしたものが下の図です。

噴射波形逆起電力の立ち上がり部分が黒く重なったように見えますが、このオシロスコープにはなぞり書き機能が備えられていることで、一万分の一~一万分の二秒、燃料が増減されていることがわかります。インジェクタ波形の下にあるものがO2センサの出力波形ですが、O2センサが正常に働いていれば、噴射時間が.ms(コンマミリセカンド)で制御されていることが点検できます。
これが、空燃比フィードバック制御といわれるもので、この波形の動きを診ることで、O2センサの良否判定も出来るということです。燃料噴射波形から、インジェクタ本体の良否判定だけではない色々なことが判る一例ですね。
なお、噴射波形に同期をかけて診るためのトリガポイントについては、平成31年2月3日・ブレイクタイムを合わせてご覧いただくとよいでしょう。その記事に、極端に噴射時間が小さくなった波形を載せています。その図は無効噴射時間(約0.6ms以下)まで短くなり、実質、燃料噴射していないということになりますが、それはスロットルポジションセンサのアイドル接点がONになっているかどうかを点検していることになりますから、インジェクタ波形は玉手箱のように、あれもこれも点検できる便利な波形であるということですね。
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