そんな無茶苦茶なっ
先週金曜の整備セミナーは、衝突回避ブレーキ付の自動車において、フロントガラス交換後やフロントバンパ交換後に必要なキャリブレーション、いわゆるエイミング作業に関するものでした。
そのセミナーにおいて、講師の方がお話された内容でビックリすることがあり、思わず手を上げて質問してしまいました。
世間では自動ブレーキなどと呼んでいる衝突回避システムですが、大前提としてホイールアライメント、とりわけ、スラストアングルという概念が重要視されなければなりません。

自動車の直進方向性を決定する大きな要素としてのスラスト角ですが、この角度について、とんでもない数値が許容範囲であるということを聞きました。上の図のように、本来は点線上にある幾何学的中心に向かっていくようにリヤのアライメントは調整されておかれるべきです(スラストアングル±0°00′)が、矢印の方向にスラスト角を生じますと、この図の場合、自動車は左方向に流れて走行しだします。その結果、ステアリングホイール(ハンドル)を右方向に固定しながら走行することになり、特にフロントタイヤに偏磨耗を引き起こします。
例えば、このスラスト角が10′(一度の六分の一)狂っているとして、ホイールベースが2.5mの自動車であれば、この間だけでも7.27mmものズレとなります。当然のように自動車は真っ直ぐに走りませんし、フロントタイヤに異常磨耗として故障が現れます。
少し話が逸れますが、随分前に、初代プリウスでフロントタイヤに偏磨耗が生じ、色々調べた結果、スラストアングルに問題があることを発見し、まだ初回車検もしていないプリウスなので、それをクレームとして訴えたのですが、愛知の本社(メーカー)からの回答は、「スラストアングルはゼロであることが望ましいが、10分以内ならば、走行に支障はない」というものでした(アホか、こいつら!:心の声)。このことについては長くなるので、いずれ記事にすることにします。
話は戻りますが、エイミング作業において、国内各自動車メーカーからは明確なスラストアングルの数値は発表されていないとのことですが、唯一、スバルだけが”スラスト角は30分以内ならOK”というデータが示されているようです。実際は、こんなもん、ねじれたようにしか走りませんから、直しますけどね。
これは何も、スバルが足回りを軽視しているということではなく、むしろ、スバルのアイサイトが、それだけの許容範囲を持つい素晴らしいシステムであるということを言いたいのか?は判りませんが、それにしてもですわ、許容範囲をもっと小さい数値に設定して発表せんと、わけのわからんヤツが、エエかげんな整備をせんとも限りません。ましてや、どこかのアホなメーカーみたいに、「スバルが30分許容って言うなら、スラストは、ウチも30分でもええがね」とでも考えかねません・・・だがね。
キャリブレーションに関する数値と、ホイールアライメントの関連性を混同しないようにしないといけませんから、注意が必要です。
さて、11月も終わります。明日からは12月、いよいよ先生も走り出す月になります。先生のみならず、みんなが忙しく走りまわれる師走でありますことを願っています。コロナに負けずに、力を合わせて一生懸命に生きていきましょう。
authorized by 浅田 純一
そのセミナーにおいて、講師の方がお話された内容でビックリすることがあり、思わず手を上げて質問してしまいました。
世間では自動ブレーキなどと呼んでいる衝突回避システムですが、大前提としてホイールアライメント、とりわけ、スラストアングルという概念が重要視されなければなりません。

自動車の直進方向性を決定する大きな要素としてのスラスト角ですが、この角度について、とんでもない数値が許容範囲であるということを聞きました。上の図のように、本来は点線上にある幾何学的中心に向かっていくようにリヤのアライメントは調整されておかれるべきです(スラストアングル±0°00′)が、矢印の方向にスラスト角を生じますと、この図の場合、自動車は左方向に流れて走行しだします。その結果、ステアリングホイール(ハンドル)を右方向に固定しながら走行することになり、特にフロントタイヤに偏磨耗を引き起こします。
例えば、このスラスト角が10′(一度の六分の一)狂っているとして、ホイールベースが2.5mの自動車であれば、この間だけでも7.27mmものズレとなります。当然のように自動車は真っ直ぐに走りませんし、フロントタイヤに異常磨耗として故障が現れます。
少し話が逸れますが、随分前に、初代プリウスでフロントタイヤに偏磨耗が生じ、色々調べた結果、スラストアングルに問題があることを発見し、まだ初回車検もしていないプリウスなので、それをクレームとして訴えたのですが、愛知の本社(メーカー)からの回答は、「スラストアングルはゼロであることが望ましいが、10分以内ならば、走行に支障はない」というものでした(アホか、こいつら!:心の声)。このことについては長くなるので、いずれ記事にすることにします。
話は戻りますが、エイミング作業において、国内各自動車メーカーからは明確なスラストアングルの数値は発表されていないとのことですが、唯一、スバルだけが”スラスト角は30分以内ならOK”というデータが示されているようです。実際は、こんなもん、ねじれたようにしか走りませんから、直しますけどね。
これは何も、スバルが足回りを軽視しているということではなく、むしろ、スバルのアイサイトが、それだけの許容範囲を持つい素晴らしいシステムであるということを言いたいのか?は判りませんが、それにしてもですわ、許容範囲をもっと小さい数値に設定して発表せんと、わけのわからんヤツが、エエかげんな整備をせんとも限りません。ましてや、どこかのアホなメーカーみたいに、「スバルが30分許容って言うなら、スラストは、ウチも30分でもええがね」とでも考えかねません・・・だがね。
キャリブレーションに関する数値と、ホイールアライメントの関連性を混同しないようにしないといけませんから、注意が必要です。
さて、11月も終わります。明日からは12月、いよいよ先生も走り出す月になります。先生のみならず、みんなが忙しく走りまわれる師走でありますことを願っています。コロナに負けずに、力を合わせて一生懸命に生きていきましょう。
authorized by 浅田 純一
スポンサーサイト