ちょうど、先週の日曜に記しました記事”
エンジン負圧測定の意味”の続きでございます。難解な理論(?)でございますゆえ、わたくしめも社長さまにご指導を受けながら、本当のところ、どこまで自身で理解できているのかと自問しながら書き記すものでございますことをお許しいただきとうございます。
エンジン負圧測定の意味にいたるまでには、かなりの長い道のりがございまして、本日は、その第一歩でございます。
まずは、エンジンの出力・
馬力(PS)という概念について考えてゆくことからはじめなければなりません。下の図をご覧くださいませ。

こちらは、社長さまのご講義用ノートの一部を転記させていただいたものでございます。ここには、エンジンの馬力を算出するための用件が記されてございます。公式もございまして、エンジン出力・馬力(PS)は、エンジントルク(
T)とエンジン回転数(
N)をかけたものを、716で割りますと算出されるというものでございます。
ためしに図にございます数値を代入し計算してみますと
(10×3000)÷716=41.899441・・・≒41.9(PS)となるものでございます。
この公式は、どのように導かれたのか?ということについて、少し説明(上手く出来ればよいのでございますが・・・)いたします。
馬力とは、仕事率、つまり単位時間あたりにどれだけの仕事をしたのか?ということになるのでございますが、もちろんここで申します仕事とは、デスクワークなどの仕事をさすものではなく、物理の教科書などに出てまいります概念のことでございます。
図にもございますように、
仕事=力×距離で算出されます。よって、この図に記されてございますエンジンの出力を公式を用いずに出してみたいと思っております。(どうぞ上手くいきますように

)
力は既に記されてございます。さようでございます。それはトルク(T)10kgf・mが、その力でございます。では距離はどこに記されているのかと申しますと、これは計算しなければなりません。そこで図の最下段に記されてございます「1馬力=75kgf・m/s」というものについて触れておかなければなりません。端的に申しまして、
一馬力とは、75kgの体重の方が、一秒間に1m動いたこと、これをさすものと考えて差し支えないようでございます。つまり、一秒間に75kgの物体が10m動いたとなれば、それは10馬力ということでございますね。単位時間とは秒(S)なのでございます。
では上の図に戻りますが、そこにはエンジン回転数が3000rpm(毎分3000回転)と記されてございますゆえ、これを毎秒に換算しなければなりません。毎分3000回転は毎秒50回転(50rps)となります。この数値は、距離を算出するために必要なものでございます。(*なるほど、10kgf・mや3000rpmという数値は、計算しやすいような数値を選んでおられるのでございますね)
また、エンジンは回転運動をいたします。図には便宜上、”半径1”の円が描かれてございますが、点0から始まり点0にもどりますと一回転したこととなります。よって、その距離は2π(直径2×3.14)となり、このエンジンの場合、一秒間にエンジンが回転いたします距離は、2π×50(s)となるわけでございます。
よって、ここでの仕事は、10×2π×50=1000πとなり、その仕事率・馬力は、この数値を75で割ったものになるということでございます。πを≒3.14と定義いたしますと、3140÷75=41.8666・・≒41.9(ps)となるものでございます。再度、書き足しました図を下に掲載いたします。

上記いたしました説明をまとめますと、*のついた式となり、同様にπを≒3.14と定義して計算いたしますと公式が求められたということになるものでございます。わたくしめの拙い説明をご理解いただけたでございましょうか?
ここまでが、第一歩でございます。お疲れさまでございました。
*なお、現在では力の単位はN(ニュートン)が用いられておりますが、社長さまはkgfに慣れておられますということで、ここでは旧単位を使用いたしております。