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ここを見逃さないように

前回、点火波形について書いたのは5月13日でしたから、二ヶ月以上の時が経っていました。岩手での講習会の重圧に耐えかねていたのかも知れません(ウソです、サボっていただけです)。

さて、今回は福島の佐藤さんから送っていただいた波形をご覧いただきます。エンジン不調で入庫され、バルブクリアランス調整などを施した後も改善が見られないということで、掟破りのアサダメソッドにて燃焼室を洗浄された前後の波形です。
処理前
*燃焼室洗浄前*

要求電圧もさる事ながら、スパークラインは火炎核の形成にまつわる大切な要素でしたね。先に岩手でも話しましたが、一瞬の強い火を紙に当てても直ぐには着火しませんが、弱い火でもジワジワと紙を炙るようにすれば燃えますね。要求電圧とスパークラインの関係は、いわばそういったものと考えていただくと理解しやすいのではないでしょうか。

上の写真では、スパークラインに乱れがありますが、これが燃焼室の汚損の場合に現れやすい波形です。スパークラインの最後尾も角が立ち、燃焼が希薄であることを物語っています(物語るって大層な)。いつもイライラして余裕のない、私のような不細工な波形です。この波形だけを観ていては、どこがアカンのか?解りませんが、そういう意味で常に車種ごとの正常波形をストックしておくことが財産になるわけですね。

処理後
*燃焼室洗浄後*

スパークラインも長くなり、苛立ったような角も丸みを帯びるようになります。何よりもスパークラインがキレイです。メカトロクラブみちのく副会長の須藤さんのように美形になりました(チキショウ)。

このように点火波形を美しくする整備、まるで美容整形医師のように、私たちは真のカードクターで在らねばなりません(おぉ、カッコようしめたで)。

authorized by 浅田 純一
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プレゼンテーション

イグニションアナライザを使用してユーザーの目の前で診断することは、驚きを提供するという意味では価値があると考えています。
異常波形
ユーザーの見守る中、波形観測から異常箇所を瞬時に判断・整備して引き渡せば、どれほど喜んでいただけることでしょう。
正常波形
正常か異常かの判断を目前で下すことが、プロであることの証としてユーザーの心に残るものと思います。

今回の整備でも、「自動車整備工場はみんな、こんな機械使こうて診てるん?」と聞かれましたが、そうではないことを、そして、たとえこういった機器が備わっていても診断技術がなければならないことを説明しています。異常波形の減衰部(赤丸)がなぜ正常波形とは異なるのか、その理由も述べる必要があります。そのためには、点火波形がこのような形として現れる理由を覚えておかなくてはなりません。

どれほど美味しい料理も、その見た目が悪ければ美味しさは半減します。逆に、それほどでもない料理でも、器が良ければ美味しく思えるものでもあります。決して整備技術が劣っていてもいいという意味ではないことを付け加えておきますが、魅せる整備という意味でもプレゼンテーションは有用でしょう。

authorized by 浅田 純一

故障例・プラグコードリーク

何ともまあ、懐かしい響きのトラブルです。若い整備士の中には、「プラグコード?って何?」と思う人もいるかも知れません。
プラグコード
スバル・サンバー(TW1)のエンジン不調で、プラグコードに小さな穴が開いてしまい、そこから電気漏れを起こすという古典的なトラブルです。
  リーク
見た目でも火花が飛んでおり、ここに故障の原因があることが直ぐに判ります。
リーク痕跡
数箇所、白くなったリーク痕が見えますね。プラグコードとスパークプラグを交換してトラブルは解消ですが、「点火波形」のカテゴリとして掲載するからには、イグニッションアナライザの波形は載せておかなければなりません。
異常波形
この、スパークラインに大きな乱れがある異常波形は、リークの際に現れる典型的な波形です。よって、プラグコードを備えていない現在の多くの自動車についても同様のことが言えますので、覚えておいて損はありません。

ペンシル型イグニションコイルの不良にブーツ部(スパークプラグの先端に射し込む部分)よりのリークがありますが、あの場合もこういった形の波形が現れますから、参考になると思い、簡単なトラブルではありますが”異常波形の検証”という意味で、奈良時代あるいは平安時代かと思えるような、古典的トラブル事例を記事にしておきました。

こぼれ話ですが、この診断をしている際にちょっと油断してリーク放電のビリビリをくらいました。直接ではなかったので腕が痺れるほどの痛さはありませんでしたが、私としてもそれほどに久しぶりのトラブルでした。

authorized by 浅田 純一

故障例・スパークプラグ

積算走行、約45000kmのダイハツ・ミラ(L275S)の異音トラブルでの入庫です。赤信号などで、ドライブ()レンジに入れたままでの停止時にエンジンが震え異音が発生するという症状です。マフラー(排気管)でも”カラカラ”に近い音がしています。

まずリフトアップして車体下回りの目視点検などもしましたが、エンジンの震えの原因は点火系統にあるようなので、早速イグニションアナライザでの点火波形診断を行いました。
異常波形
上の写真は、スパークプラグの不良時に現れる波形です。HOLDモードなので極端にスパークラインが短くなっていますが、実際には、アイドリング状態でも1.5msから0.8msほどの間を行ったり来たりしています。動画でないことが悔やまれますが、見慣れないとコイルの不良と間違える可能性がありますから注意が必要です。

プラグの交換後は、きれいな点火波形に変わりました。エンジンの異常振動もなくなり、マフラーよりの異音も解消しました。スパークプラグの電極が磨耗したことで着火性能が劣化し、燃焼ガスの排気流れが悪化したために排気管の揺れが発生し、下回りよりの異音発生というトラブルにつながっていたようです。
正常波形
高がプラグされどプラグ、エンジンの小さな燃焼室の中で、ms(ミリセカンド・千分の一秒)という刹那で繰り広げられるドラマには欠かせない重要な役割を果たしているのですね。
燃焼室

authorized by 浅田 純一

故障例・イグニションコイル

前回に続いて、イグニションコイルの故障例ですが、今回の波形は「減衰部」が無くなる事例ではありません。

ダイハツ・ミラジーノ(平成19年式・L650S)の、エンジンが震えてアクセルを踏んでも加速が悪く、時々、カラカラやカンカンという金属音がなるという症状です。アサダメソッドの点検順序に従って診ていきます、とは言いましても、通常のマニュアルと何ら変わりはありません。

何よりもまず初めに、スキャンツールを使用してのシステムサーチを実施しましたが、期待した”〇番シリンダ失火”という文言は現れず、何のコードも記憶されておりませんでした。

次はエンジンの三要素の内、イグニションアナライザがあれば一番点検しやすい”良い火”から診ることにします。
異常波形
#2番シリンダの波形ですが、無負荷のアイドリング状態ではスパークラインが揺れる程度で、見たところ正常波形と変わりはありません。

ここで大切なことは、ユーザーが訴えている「加速が悪い」という状況を積極的につくらなければならないということです。エンジンの故障に限らず、あらゆるトラブルは同じ状況を味わうということが大切です。
異常波形加速時
3000rpmくらいに急加速したり、少しゆっくり目に加速したりと、色々な状況で観測する必要があります。
異常波形加速時2
上に掲載した二つの写真から、点火系に異常があることはわかります。イグニションコイルが故障した典型的な「減衰部が無くなる」という波形ではありませんね。ここで#2番と#3番のスパークプラグを入れ替えてみました。スパークプラグに異常があれば異常波形が#3番に現れるはずですが、そのまま#2番に異常波形が現れています。
異常波形加速時3
各シリンダの要求電圧に大きなバラつきもなく、イグニションコイルの異常と判断しました。(本当は、ここでコイルを#3番に入れ替えることをして下さいね。その方が確実ですから。)
正常波形
コイルの交換後はアクセルを踏んでも軽やかに吹き上がりますし、時折発していたカラカラ音もしなくなりました。レーシングしても、スパークラインが短くはなってもバラツキはありません。
正常波形2
これでトラブルは解消です。もちろん、コイルは全数交換しています。スパークプラグは交換後、まだ走行が少ないので、そのままにしておきました。症状が現れた当日であることと、目視では問題なかったことで、そう判断しました。(講習会では立場上、交換することを勧めていますが、こちらが本音です。)

この機種は、これまでにも書いています、例のイオン電流検出回路を備えたコイルですので、火花点検の後、あの面倒なオシロスコープでの波形観測をしなければならないことになっていますが(オシロスコープの本を書いておきながら、面倒くさいとは何事か!)、イグニションアナライザがあれば、あっと言う間に終了です。

今回のコイルの故障は、減衰部が現れていますからコイルの断線やショートというものではなく、どこかでリークしているのかも知れません。残念ながら、サーキットテスタでの抵抗点検などは出来ない仕組みになっていますので、壊して分解するしか調べようはありません。時間のある時にやってみようと思います。

お読みいただいている方で、「何や、簡単な例やんけ」と思われる方も多いかも知れませんが、簡単な内容も書かないといけない理由があってのことですので、ご辛抱ください

authorized by 浅田 純一
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